2010年12月14日

東京少年

今回の『東京都青少年健全なんちゃら』『非実在なんちゃら』とかいう、
あまりにも、あまりにも時代の先端を行き過ぎて、ディストピア的感慨すら抱かせる条例について触れたい。

というか、僕自身この問題についてはムカつく矛先があまりに多すぎて、なかなか考えをまとめられないのだが、
僕の立場としては、この条例についてはハッキリと『NO』である(慎太郎オマージュ)。

『表現の善し悪しの判断を行政・政治に任せる』
この言葉になんの気持ち悪さも抱かないのであれば、あなたは相当末期的だと思う。
エロ表現、犯罪表現…。
物語は物語自身を駆動させる多くの非健全的(笑)な表現を内包するものだ。
このエロは良くて、このエロはダメなどと誰が決めるのか。
強いていえば、それは読者自身である。
そこに描かれているものに、ひたすら嫌悪感を抱くのであれば
読むのをやめればいいのだ。
作家や出版社に抗議するのも、それは自由だと思う。

ただ、それを行政機関がやるとなると話しは違ってくる。
行政機関は僕たちがそれ(善し悪しの判断)を託せるほど信頼できるものなのか。
絶対的なものなのか。
ヤツらは、『条例』という絶対的なモノを手に入れて
いくらでも恣意的に判断できる。
付帯決議(運用は慎重にという内容らしいが)など、都議会民主党の裏切りに対する言い訳に過ぎない。

そもそも表現の善し悪しを判断する感性に「絶対」なんてもんはない。
人間一人ひとりが少しずつ違った感性を持ち、
それによって判断するしかないのだが、
今回の条例で僕ら(というか子どもたち)の感性は「未熟」で「危うい」ものとして否定され、その判断機会を取り上げられてしまう格好になる。

そう、東京都は「子どもたちを守る」などと美しげな事を口では言いながら、
実のところ全く子どもたちを信用しておらず
「放っておいたらすぐ犯罪に走る危険な存在」とみなしているのだ。
それは、今回の条例を出したのが東京都の「青少年・治安対策本部」という部署であることからもよくわかる。
東京都は「青少年」と「治安対策」をパッケージとして考えているのだ。
ふたつの言葉を分かりやすく言いかえてみよう。

「若いヤツらは」「すぐ犯罪を犯す。なんとかしよう」。

東京都が美しげな言葉を使う裏で
根底のところで若いヤツらをどういう目で見ているのか。
これ以上ないくらいによく分かると思う。

あとね、PTAなんかがこの条例に賛成しているわけだけど、
気持ちはわからんでもない。

ヒドイ性描写が描かれているマンガやアニメがあって、
それが子どもでも容易に見れる環境にあるのは事実だと思う。
それが不快だってのもわかる。

でも、結局不快か不快じゃないかって所で規制をかけようとすると、
それは人それぞれの感性によるものが大きい分、
どうしてもムリが生じるわけ。
なんでこれが規制されて、これが規制されないのかってのがどうしたって出てくる。

それでも規制されるべきって事になれば
もうあらゆる性描写を子どもの目につかないようにしなければ
色々な矛盾が出てくる。

で、子どもに対し「性描写」「性行為」を無いものとするならば、
そしてそれが「子どもが健全に育つ、健全な社会」とするならば、
そんなものはまさに「ウソで塗り固められた、ディストピア」である。

「性」って「健全」じゃないの?
PTAの人たちだってセックスして子ども作ったんでしょ?
自分たちのした事は「不健全なこと」として子どもに教えるの?

もちろん子どもに過激な性描写を見せる必要はない。
特に幼児や小学校にあがったばかりの子どもが
あまりに過激な性描写を見た場合、トラウマになる可能性だってある。
だが、性に興味を持ち始めれば、子どもは全力を尽くして性情報にアクセスする。
それが決して重大な犯罪行為につながらない事は
多くの大人が経験として共有しているはずなのだが。

そもそも「不快だから」「不健全だから」で規制されるのがオッケーならば、
それこそ世の中のあらゆるものが規制の対象になってしまう。
何度も繰り返すが「快・不快」「健全・不健全」は個人によるところが非常に大きいからだ。
そんなものに権力が介入する社会は碌なもんじゃないって話しである。







posted by キョー at 23:12 | TrackBack(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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