2011年01月06日

革命前夜のヒックとドラゴン!

見逃していた『ヒックとドラゴン』を観ました!
(ブルーレイ鑑賞)

いや、最近ピクサーの『WALL-E』を初めて観て
「ごめんピクサーナメてた!」と泣きながら土下座したばかりなのですが
ごめん!ドリームワークスナメてた!
ていうか、アメリカの3DCGアニメ全般を僕は完っ全にナメてました!

なんという完成度!
なんという美しさ!
あらゆる人間、化け物(ドラゴン)、自然物、人工物まで含めて
そこにあるとしか思えないほどに現実感を伴って描かれています。

多くの人が言及しているように
これは劇場で3Dで観るべきだった!
特にやはり飛行シーンは全ての男子の夢が具現化されたかのように
激しくエキサイティング!
2Dで観てもこれくらい興奮するんだから3Dで観たらどんだけ凄かったんだろう!

あとトゥースがね、可愛すぎる!
ネコ好きの僕としてはたまらんものがありましたね。

脚本の方は
まぁどうしようもないボンクラ野郎が意外な力を発揮して共同体を救うという、
王道的な英雄譚ではあるわけです。

あるわけですが、そこに現代のアメリカ・自称「世界の警察」国家としてのアメリカの欺瞞がはっきりと描かれているのが凄いと思った。
最初は「悪の存在」「自分たちの生活を脅かす存在」としてのドラゴンをきっちりと描き、
しかしヒックとトゥースが次第に心を通わせる過程で
「ドラゴンも人間を怖がっている」というシーンを描き、
どちらが悪かではなく、ドラゴンも人間も意外と変わらないじゃないかという所まで描写する。
だからこそ、ヒックとトゥースが初めて心を通わせるシーンで、
ヒックが少しずつ様々なガードを外し、トゥースに近づいて行く場面は感動的なのだ!
盾も刀も捨てて初めて相手と心が通じる。
これは明らかに現代アメリカの風刺である。
更に親父の「仲間がドラゴンに何百人も殺されてるんだ!」という言葉に
ヒックは「人間だってドラゴンを何千匹も殺してるじゃないか」と反論する。
一応は子ども向けアニメであるにも関わらず
ここまであからさまに「正義」としてのアメリカの欺瞞を盛り込むとは!
恐るべし!である。

であるのだが、ここからが引っかかるところであります。
そういう描写のあと、ドラゴンにも悪い親玉がいてそいつをやっつけるという流れになるのですが、
これがどうにも納得がいかない。
散々アメリカの欺瞞を描いた(としか僕には思えない)にも関わらず、
よっしゃ、悪い奴をやっつけるで〜という流れに回収するって
それって結局アメリカの戦争を正当化してないですか??
イラクに乗り込んでって悪い奴=サダム・フセインをやっつけたのは、
まぁ色々反省すべき点も確かにあったかもしれないけど、でもやっぱ殺るしかなかったよねと言ってるしか思えない!
でもそうとしか思えないのはきっと僕がつまらない人間だからなんです!
もうそんな事気にしないで楽しめばいいのに!俺!
だってホント完璧な娯楽作品なんですから。
素晴らしい傑作ですよ!

だけどやっぱり引っかかるので
ちょっと考え方を変えてみました。
あのラスボスは世界的大企業とかとにかく超お金を持ってるヤツです。
で、その下僕たるドラゴンはラスボスのために汗水垂らして、命の危険を冒してまでせっせと働く。時には理不尽な扱いを受けクビ(=Fired。その通りラスボスの口から吐かれた炎で命を落とすドラゴンもいる)を宣告されるドラゴンまで出てくる。
だけどドラゴンが真面目に働けば働くほど、一方では人間の利益が奪われてしまう。
北の最果ての絶海の孤島である。
ただでさえ利益は少ないのに、それを奪っていくドラゴンを憎む人間。
途端に持たざるモノ同士が憎み合うという現代社会の構図そのものが『ヒックとドラゴン』という物語に浮かび上がってくる!
その2者が手を組み、システムをぶち壊す!
そうだ!これは革命の物語なのである!

よし!これなら僕も気持ちよくヒックとドラゴンの世界に浸れます!

ていうかね、そんな事抜きにしてこの作品は3DCGアニメの大傑作ですから
まだ未見の方は是非是非観て下さい!
posted by キョー at 23:36 | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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