2011年04月09日

愛しさと切なさと馬鹿野郎共と。トゥルー・グリット!

トゥルー・グリット観ました!
(シネプレックスわかば)

映画『3時10分、決断のとき』、ゲーム『RED DEAD REDEMPTION』を通じて、僕の中で今まで全く興味の対象外だった「西部劇」というものが俄然盛り上がってきたのが去年のこと。そしていよいよコーエン兄弟が西部劇を撮るということで随分前から楽しみにしていた『トゥルー・グリット』。
なんというか、「これは大傑作だ!」と声を大にして言う感じではないんだけれど、しみじみと「いい映画だなーー」と感じました。

ストーリーとしては、父親を殺された娘マティが、保安官コグバーン、テキサスレンジャーであるラビーフの力を借り復讐の為の旅に出るというものです。

しかしこの保安官というのが、凄腕らしいのだけどとにかく飲んだくれ。テキサスレンジャーもプライドは高いんだけど、そのプライドの高さをマティに鼻で笑われるという体たらく。(テキサスレンジャーのバッジをマティに見せつける時の表情、その素晴らしいほどのしょうもなさが最高!)
時代設定としては西部開拓時代の終わりなんだけど、この二人はいまだに「西部の男」という失われつつあるステータスに拘泥し、そんな二人と新時代を象徴する存在でもあるマティ(その商談の巧みさは、近代資本主義社会の到来を想像させる)が織り成す旅物語なわけです。
で、本当にしょうもなくてキマんない二人で、しかも何かと言えば口喧嘩ばかりしてる二人なわけですよ。マティさん、これは完全に人選間違えましたねって感じなわけですよ。そんなしょうもなさがさんざん描写されるわけですが、そんな二人がクライマックスに見せる「西部の男」たる所以。そしてその後、マティのためにとる行動こそトゥルー・グリット!!(真の勇者、真の勇気!!)

※ここから若干ネタバレです。





まぁ、ここまでは色々な方が触れているわけです。でも僕が真にグッときたのが、その場面で過ぎ去る風景、もっと言えば人物の描写でした。
コグバーンがマティを馬に乗せて疾走する。そしてまずはラビーフ、それから荒野に倒れる悪党たち。登場した人々が一人また一人と舞台から去ってゆきます。馬まで退場し、遂にはコグバーンまで…。マティの命がなんとか繋がれるのと引き換えられるかのように、古き時代から新しい時代へとバトンが繋がれるかのように、荒野の向こうへ立ち去って行きます。今時、荒野で鉄砲バンバン撃ち合って命を取って取られて、新時代はもう目の前に来ているのに、まぁバカですよ!でもコーエン兄弟は(特に悪党たちが倒れているシーンに強く感じたことですが)それを愛情というか、哀惜というか、そういう感情とともに描くわけです。そりゃあグッときますよ!
まぁでもコーエン兄弟ですから、僕が勘違いしている可能性も十分あるわけですが。

あと、マティが父親が遺した銃や帽子、コートをまとって旅に出るという設定もいい!なんとなくですが同じコーエン兄弟の傑作『ノー・カントリー』の父親の松明のエピソードを感じさせて、これもグッときました。

最初に書いた通り、個人的には「大傑作」とも違うのですが、折りをみて何度も何度も見返したくなるような作品だと思います!
もう一回『RED DEAD REDEMPTION』やろうかな。
posted by キョー at 23:04 | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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